今日は雨だった。
夕方、野暮用で車を走らせる。
抜け道を通って、国道に合流する交差点で信号につかまった。
車が長い列を作っていて、これは二回でも通過できないな、と溜息をつく。
――と、カツン……、カツン……と頭上で音がする。
よくよく耳を澄ますと、どうやらルーフに何かが当たっているようだ。
身を乗り出してフロントガラスから上を見ると、ちょうど車の真上を電線が通っていた。
カツン……、カツン……。
メトロノームのように、一定のリズムを刻んでいる。
原因は雨粒だった。
電線に留まった小さな雨粒が、くっつきくっつきして、大粒になり落ちてきていたのである。
それにしても、電線をこんなにマジマジと見入ったのは久しぶりだった。
私に気づいて欲しいがために、雨粒を落としているかのようである。
確かに近頃はワイヤレスの時代。
wimax内臓パソコンが一台あれば、いつでもどこでもインターネットに接続することができる。
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BIGLOBEがおすすめだ。なぜなら最速のWiMAX2にクレードルが付属しているのはここだけだから。
会社でも自宅でも、動線上にモールを這わせて、それにつまずくようなことも、もうない。
自宅に固定電話を引く人もどんどん減ってきて、屋根にソーラーパネルを設置する人が増えてきた。
今、雨粒を落としている電線も、いずれ必要なくなってしまうのだろうと思うと、すこし寂しくなった。
小鳥たちが戯れる光景も、酩酊したサラリーマンが電柱によじ登る姿も、もう見られなくなる。